医院からのお知らせ
歯科医院のフッ素塗布は効果があるの?フッ素の特徴や施術の流れを解説
25.02.14
カテゴリ:医院からのお知らせ
虫歯や歯みがきの事を調べていると必ず出てくるのが「フッ素」です。
「フッ素配合の歯磨き粉」などの広告を見たことがある人も多いでしょう。
フッ素は、虫歯予防に効果を発揮します。
今回は歯科医院で行われるフッ素の効果について、フッ素の特徴や施術の流れとあわせて詳しく解説します。
Contents
フッ素って何?
フッ素は自然界に広く存在する物質で、土壌や海水にも含まれている物質です。
また、緑茶やウーロン茶、海産物、肉、野菜、果物など様々な食品にも含まれています。
「フッ素」と言っているものは、実際には「フッ化物」という化合物で、フッ素単体ではありません。
フッ素は、歯を強くして虫歯の発生を防ぐ効果があり、虫歯予防に有効な成分として知られています。
歯科医院では「フッ化ナトリウム」「リン酸酸性フッ化ナトリウム」などが使用されており安全性がしっかり確認されています。
一度に大量の薬剤を使用するわけではありません。
歯の表面のエナメル質は、ハイドロキシアパタイトという結晶で構成されています。
そこにフッ化物を作用させることでフルオロアパタイトという虫歯菌の出す酸に強い構造に変化するのです。
虫歯予防にフッ素を利用する方法として、歯科医院のフッ素塗布・フッ素入り歯磨き粉の利用が挙げられます。
歯科医院のフッ素塗布の効果
フッ素塗布は、次の3つの効果があると言われています。
・歯の質を強くする
・歯の再石灰化を促進する
・虫歯菌の働きを弱める
それぞれについて解説します。
歯の質を強くする
歯の表面の構造をフルオロアパタイトという、酸に溶けにくい性質に変え、虫歯になりにくくします。
歯の再石灰化を促進する
歯の表面では、カルシウムやリンなどのミネラルが溶け出す「脱灰」と、ミネラルを取り込む「再石灰化」が常に起こっています。
フッ素を利用することで、再石灰化が促進され、歯から溶け出したミネラルを取り込んで修復します。
虫歯菌の働きを弱める
フッ素の抗菌作用により、虫歯菌の働きを弱め、歯を溶かす酸が作られるのを抑制します。
フッ素塗布の流れ
歯科医院のフッ素塗布では、最初に歯の表面をクリーニングし、フッ素が取り込まれやすい状態にしてから、綿球などで歯にフッ素を塗布していきます。
小さな子どもの場合は、歯ブラシを利用してフッ素を塗ることもあります。
フッ素塗布後の注意点
歯科医院でフッ素を塗った後は、30分ほど飲食やうがいを控えていただきます。
そうすることで、フッ素がしっかりと歯に作用して効果を高めます。
こんな人にフッ素塗布がおすすめ
フッ素塗布は次のような方におすすめです。
・乳歯や生えたばかりの永久歯があるお子様
・初期虫歯がある方
・虫歯の治療経験が多い方
・歯の根が露出し根面虫歯のリスクが高い方
乳歯や生えたばかりの永久歯があるお子様
乳歯は永久歯と比較して歯の質が弱いという特徴があります。
また生えたばかりの永久歯も表面が未成熟です。
虫歯のリスクが高いので、定期的にフッ素塗布をして虫歯予防をすることをおすすめします。
初期虫歯がある方
初期虫歯とは、穴が開く前の虫歯です。まだ治療をする必要はありませんが、今後穴が開いてしまうリスクが高くなります。
フッ素塗布は、歯の再石灰化を促進する作用もあり、初期虫歯の進行の抑制が期待できます。
虫歯は一度治療をすると、二次虫歯で治療を繰り返すリスクが高くなります。
できるだけ初期虫歯から進行しない状態にすることが大切です。
定期的にフッ素塗布をしながら、経過観察を続けていくのが良いでしょう。
虫歯の治療経験が多い方
「虫歯のなりやすさ」には個人差があります。
虫歯の治療経験が多い方は、虫歯のリスクが高いことが考えられます。
定期的にフッ素塗布をする事で、リスクを減らすことができるでしょう。
歯の根が露出し根面虫歯のリスクが高い方
加齢や歯周病などで歯ぐきが下がり、歯の根の表面が露出すると、根面虫歯のリスクが高くなります。
根面が虫歯になると、神経まで達するのも早く、歯が折れてしまうリスクもあります。
特に高齢の方では、唾液の量が減少することも虫歯のリスクを高めます。
定期的にフッ素塗布をして根面虫歯を予防するのが良いでしょう。
フッ素塗布のおすすめの頻度
フッ素塗布のおすすめの頻度は3ヶ月に1回程度です。
フッ素塗布の効果は3ヶ月程度持続すると言われています。
ただし、1回塗ったからと言って絶大な効果を発揮するわけではありません。
定期的に継続して塗布することが大切です。
条件を満たせば、保険適用内での塗布も可能です。
また、ホワイトニングをご希望の患者様の場合は、ホワイトニング前ではなく、ホワイトニング後の塗布がおすすめです。
自宅でフッ素入り歯磨き粉を利用する方法
フッ素を利用する方法として、自宅でフッ素入りの歯磨き粉を利用する方法があります。
歯科医院でのフッ素塗布と両方行っても問題ありません。
歯磨き粉に含まれるフッ素は、歯科医院で塗布するものよりも低濃度ですが、毎日利用することで効果を発揮します。
フッ素入り歯磨き粉を利用する場合には、しっかりとフッ素が配合されているかフッ素の配合濃度を確認することが大切です。
6ヶ月〜5歳頃までの子ども
推奨されるフッ素濃度は、900〜1,000ppmです。
2歳頃までのうがいのできないお子様は、米粒程度の量を歯ブラシに取り、全体にゆきわたらせるようにします。そのまま口をゆすがずに終わります。
3歳〜5歳のお子様はグリンピース程度(5㎜)の量を歯ブラシに取り使用します。
6歳〜成人
推奨されるフッ素濃度は、1,400〜1,500ppmです。
歯ブラシ全体(1.5㎝〜2㎝程度)に歯磨き粉を取り使用します。
歯磨き粉は何度も口をゆすぐとフッ素が流れ出てしまいます。余分な歯磨き粉を吐き出しますが、1回程度軽くゆすいでください。
歯科医院でできるその他の予防歯科
当院では、フッ素塗布以外にも様々な予防歯科メニューを用意しています。
PMTC
プロフェッショナル・メカニカル・ティース・クリーニングの略で、歯科医師や歯科衛生士が専門的に行う歯面のクリーニングのことを指します。
患者様自身のケアでは取り除けない歯石や歯垢を除去し、細菌の集合体であるバイオフィルムを破壊します。
定期的に受けていただくことで、虫歯や歯周病の予防になります。
施術後は、フッ素が作用しやすい状態になっていますので、フッ素塗布まで受けていただくことをおすすめします。
シーラント
歯の溝に薄いプラスチック樹脂を流し入れて、溝の虫歯菌が溜まるのを物理的に予防する方法です。
主に子どもに行う施術で、虫歯になりやすい乳臼歯や6歳臼歯に行われます。
歯を削ることなく、薬剤で表面処理をして、薄く樹脂で埋める方法なので、歯に優しく安心です。
当院の診療科目
・一般歯科
・矯正歯科(成人矯正)
・小児歯科(小児育成矯正・食育指導)
・口腔外科
・インプラント
・予防歯科
・歯周病治療
・審美歯科
・ホワイトニング
当院では、フッ素塗布などの予防歯科に力を入れていますが、その他多くの診療科目に対応しています。
お口のお悩みに合わせてご希望の施術を受けていただくことが可能です。
ご希望に応じた治療を紹介させていただきます。
診療日・診療時間
当院は土曜・日曜・祝日も診療しています。
お仕事の都合などで週末でないと、お子様を連れてくるのが難しいご家庭もあるでしょう。
休日も診療しているので、安心して通院していただくことができます。
月・火・水・木・金 10:00〜19:00
土・日・祝 9:00〜17:30
※休診日はお問い合わせください