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歯を失う原因の1位は歯周病であることを知っていますか?
歯を失う原因の4割を占めており、特に40代から50代にかけて急激に進行するケースも多いため注意が必要です。
歯周病のリスクは歯を失うことだけではありません。心臓疾患や糖尿病などさまざまな病気の発症リスクも高まります。
今回は、歯周病の原因や進行度合いによる症状、プルチーノ歯科東京院の歯周病治療の内容などについて詳しく解説していきましょう。
自覚症状がほとんどないまま進行する病気なので、この記事で予防法や対処法を学んでくださいね。
Contents
歯周病とは?
歯周病とは、口内に生息する歯周病菌(細菌)が原因の感染症です。
歯周病菌は歯と歯肉の境目の溝(歯周ポケット)で繁殖し、歯肉や歯を支える骨(歯槽骨)などの歯周組織に炎症を起こします。
歯ぐきのみに炎症が起こる状態を「歯肉炎」、歯槽骨にまで炎症が広がった状態を「歯周炎」といいます。
歯周病の初期段階では自覚症状がほとんどなく、病状の発見が遅れやすいことから「サイレントキラー」と呼ばれています。
歯周病を放置すると、やがて歯槽骨が溶けて歯がグラグラし、最終的に抜け落ちてしまいます。
歯周病は日本人が歯を失う原因の第1位
歯周病は日本人が歯を失う原因の第1位で、年齢を重ねるごとにそのリスクが高くなります。
40代から50代にかけて急激に進行するケースも多いため、注意が必要です。(※)
年を重ねると歯ぐきが下がって歯が長く見える人が増えてきます.
歯周病によって歯周ポケットが深くなったり、歯周病が進行して歯槽骨が溶けたりすることが原因です。
※引用元:日本歯周病学会 歯周病を知っていますか?
歯周病の原因
歯周病の直接的な原因は、プラーク(歯垢)と歯石です。
プラークとは歯周病菌などの細菌の塊で、わずか1mmのプラークに1億個もの細菌が棲みついていると言われています。
プラークの段階なら歯磨きで取り除けますが、石灰化して歯石になると歯磨きでは除去できません。
歯石の表面はざらざらしており、また新たなプラークの温床になってしまいます。
歯周病の原因には、プラークや歯石のほかにも、生活習慣やストレス、免疫力の低下などさまざまな要因が関係しています。
歯ぎしりや悪い嚙み合わせが原因になることもあるため、歯ぐきに過度な負担をかけないことも重要です。
歯周病の進行と症状
歯周病は以下の5段階で進行していきます。
- ①健康な状態
- ②歯肉炎
- ③軽度歯周炎
- ④中度歯周炎
- ⑤重度歯周炎
以下で、それぞれの段階の症状について詳しく解説していきましょう。
①健康な状態
健康な状態では、歯と歯ぐきのすき間(歯周ポケット)は1~2mmです。
②歯肉炎
歯肉炎は、歯周ポケットが2~3mm。
歯垢が溜まった状態を放置した結果、歯ぐきに赤みや違和感、出血などの炎症が起こっている状態です。
いずれも症状は軽く、痛みもありません。
歯肉炎の段階なら、正しい歯磨きによるセルフケアを徹底し、歯医者で歯垢や歯石を除去するケアを行えば、健康な歯肉を取り戻せます。
③軽度歯周炎
軽度歯周炎は、歯周ポケットが3~5mm。
歯ぐきの炎症が進み、歯槽骨や歯根膜などの歯周組織も破壊され始めます。
④中度歯周炎
中度歯周炎は、歯周ポケットが4~7mm。
炎症がさらに進み、歯槽骨の破壊が半分ぐらい進んで、歯ぐきに腫れや痛みを感じるほか、手で触ると歯のぐらつきが感じられます。
歯ぐきから膿が出たり、口臭が強くなったりすることもあります。
⑤重度歯周炎
重度歯周炎は、歯周ポケットが6mm以上。
歯槽骨が半分以上破壊され、歯がぐらぐらになり、食べ物を噛むのも困難になります。
ここまで進行すると、歯の根を支えられるだけの歯槽骨が溶けてしまい、やがて歯が自然に抜けてしまいます。
歯周病菌は身体全体に症状・病気を引き起こします
歯周病菌は、歯の周囲の歯周組織に炎症を起こすだけでなく、身体全体に症状・病気を引き起こすことがわかっています。
歯周病菌が歯ぐきの血管から全身の血管に入り、体の各所に送られるからです。
たとえば、歯周病菌が原因となる病気に以下のようなものがあります。
- 糖尿病
- 心臓疾患
- 脳血管疾患
- 骨粗鬆症
- 誤嚥性肺炎
上記のほかにも、早産・低体重児出産や関節リウマチ、メタボリックシンドロームなどさまざまな病気との関連性が認められています。
糖尿病
糖尿病は、特に歯周病との関連性が指摘されている病気です。
歯周病にかかると、歯周病の炎症物質がインスリンの働きを阻害することで、血糖値が下がりにくくなり重症化しやすくなります。
心臓疾患
歯周病菌が歯肉の血管から全身に運ばれると、動脈の血管壁に炎症を起こし、動脈硬化の原因になります。
歯周病による動脈硬化が進行すると、その影響は心臓にも及びます。
心臓疾患はがんに次ぐ日本人の死因の第2位ですが、歯周病にかかっている人はそうではない人に比べて狭心症や心筋梗塞になるリスクが高いという研究結果が出ているのです。
脳血管疾患
歯周病菌の影響で動脈硬化が起こると、脳梗塞や脳出血のリスクも高まります。
脳出血は、動脈硬化によってもろくなった血管が破れて出血する病気です。
麻痺やしびれなどの神経症状を伴い、命にかかわるケースもあります。
骨粗鬆症
骨粗鬆症とは、骨の密度が低下して、全身の骨がもろくなる病気です。
骨粗鬆症が直接歯周病を引き起こすわけではありませんが、全身の骨がもろくなると、歯を支える歯槽骨ももろくなります。
誤嚥性肺炎
ご高齢の方に起こりやすい誤嚥性肺炎も、歯周病菌の感染で起こります。
誤嚥とは、食べ物や飲み物をを誤って飲み込み、気管や気管支、肺へ送られて送られてしまうことです。
このときに歯周病にかかっていると、肺に歯周病菌が感染して誤嚥性肺炎を引き起こします。
歯周病になりやすい人
歯周病になりやすいのは以下のような人です。
- 歯磨きをあまりしない人
- 歯ならびや噛み合わせに問題がある人
- 免疫力が低下している人
- 煙草を吸う人
以下で、詳しく解説します。
歯磨きをあまりしない人
歯みがきをあまりしない、または歯磨きをしていても上手く磨けていない人は、口内にプラークや歯石が溜まりやすく、歯周病の発症のリスクも高くなります。
歯ならびや噛み合わせに問題がある人
歯ならびが悪いと、歯ブラシが隅々まで行き届きにくく、プラークが残りやすくなります、
また、噛み合わせが悪い人は特定の歯や歯ぐきに過度な負担がかかるため、歯周病にかかりやすくなる傾向があります。
免疫力が低下している人
歯周病には、免疫力の低下も関係があります。
疲れやストレスが溜まっている状態が続くと、免疫力が低下して歯周病にかかりやすくなります。
煙草を吸う人
歯周病には生活習慣が深く関係しており、中でも一番のリスクとされているのが「喫煙」です。
煙草のニコチンや一酸化炭素は毛細血管を収縮させるため歯肉の血行が悪化し、さらに歯肉の免疫力も低下して歯周病にかかりやすくなります。
喫煙者と非喫煙者を比較した調査によると、喫煙者の方が歯周病の発症率が高く、中度~重度の割合も多いという結果も出ています。
歯周病セルフチェック
歯周病の疑いがあるかどうかは、以下のチェック表で確認できます。
一つでも当てはまるものがあれば、歯周病の疑いがあります。早めに歯医者を受診しましょう。
- □歯ぐきが赤く腫れている
- □朝起きたとき、お口の中がネバネバする
- □歯をみがくと歯ぐきから出血する
- □歯ぐきにかゆみや痛みを感じることがある
- □固いものが噛みにくい
- □歯が長くなった(歯ぐきが下がった)
- □歯がグラグラする
- □冷たいものが歯にしみる
- □歯と歯の間に食べ物が挟まるようになった
- □口臭を指摘されることがある
歯周病の有無がわかるプロービング検査
歯周病は自覚症状があまりないため、気が付いたら重症化している病気です。
しかし歯周病にかかっているかどうかは、歯医者での検査で簡単にわかります。
検査では「ポケットプローブ」という目盛りの付いた深針で、歯周ポケットの深さを計ります。炎症がなければ痛みはほとんど感じません。
歯周ポケットの深さが3~5mmの場合は「歯肉炎」と診断され、以下の「歯周基本治療」が必要です。
そのほかにも、ピンセットで歯のぐらつき具合を調べたり、エックス線検査で歯槽骨の状態を撮影したりすることも重要です。
歯周基本治療
歯周病の治療として、まず歯周病の原因となるプラーク(歯垢)や歯石を取り除く『歯周基本治療』を行います。患者さんご自身が行う「セルフケア(ブラッシング)」と歯医者が行う「プロフェッショナルケア(スケーリング・ルートプレーニング)」をセットとして進めていきます。
『歯周基本治療』は、軽度の歯肉炎から重度の歯周炎まで共通する治療です。歯肉炎や軽度歯周炎なら上記の2つのケアで治ることもあります。
セルフケア(ブラッシング)
毎日の歯磨きで、歯や歯周ポケットに付着したプラークを取り除くプラークコントロールを行います。
歯ブラシだけでなく、歯間の汚れにはフロスも活用しましょう。フッ素付きのものがベストですが、ワックス付きのものも使いやすいです。
奥歯や歯ブラシが届きにくい場所には、ワンタフトブラシがおすすめです。
プロフェッショナルケア(スケーリング・ルートプレーニング)
スケーリングとは、ハンドスケーラーや超音波スケーラーを用いて歯に付着したプラークや歯石を除去する治療です。
歯石が歯肉の下まで入り込んでいる場合は、スケーリングに加えて「ルートプレーニング」も行います。
ルートプレーニングとは、歯周ポケットの奥に付着した歯石を取り除き、歯根面を滑らかで清潔な状態に整える治療です。
スケーリングやルートプレーニングで可能な限り歯石を除去すると、口腔内の歯周病菌も減らすことができます。
その結果、歯ぐきの赤みや腫れ、出血などの改善が期待できます。
歯周外科治療
スケーリングやルートプレーニングで歯周病の原因が取り除けず、病状が改善されない場合は、歯周外科治療(フラップ手術)が必要になります。
深い歯周ポケットがある部位に麻酔をかけて、メスで歯肉を切開してはがし、歯周ポケットの奥のプラークや歯石をスケーリングやルートプレーニングで取り除きます。切り開いた歯ぐきは糸で縫合し、7~10日後に抜糸します。
手術後は歯周ポケットが浅くなり、歯肉は引き締まってピンク色の健康な状態への改善が期待できます。
改善が確認できたら、定期的なメンテナンス(検査とクリーニング)を行います。
歯周組織再生療法
フラップ手術は歯肉の奥にたまったプラークや歯石を取り除くことが可能ですが、歯槽骨は再生しないため、歯肉が下がってしまうのがデメリットです。
そこで近年、歯周病によって失われた歯槽骨を含めた組織を再生させる「歯周組織再生療法」が急速に普及してきました。
代表的なものに、組織再生誘導法(GTR法)、骨移植、エナメル マトリックスデリバティブ(EMD)の使用などがあります。
組織再生誘導法(GTR法) | 歯と歯肉の間にGTR膜という特殊な膜を挟んで縫合することで、新たな歯周組織の再生を促す方法 |
骨移植 | 歯周病で骨を失った部位に、患者さんご自身の骨や人工骨を移植することで、新たな骨の再生を促す方法 |
エナメル マトリックスデリバティブ(EMD)の使用 | 豚の歯胚組織から作られた特殊なタンパク質を歯を失った個所に適用して歯周組織の再生を促す方法 |
失われた歯槽骨を回復させることで、通常ならグラグラして抜歯しかないとされた歯でも残せる可能性が高まります。
歯周病はアフターメンテナンスが必要です
歯周病は、治療が終わったからといって安心できるものではありません。
適切なアフターケアを怠るといずれ再発するため、徹底したプラークコントロールを継続的に行うことが大事です。
歯磨きなどのセルフケアはもちろん、歯医者での定期検診・歯のクリーニングも不可欠です。
当院のPMTCやGBT(プロによる歯のクリーニング)は、プラークや歯石を除去し、歯周病を予防する効果があります。
田町駅直結の歯医者|プルチーノ歯科東京院の歯のクリーニング(PMTCとGBT)と予防歯科の内容は?
まとめ:歯周病治療は当院にお任せください
歯周病は、重症化するまで無症状なことが多く、早期発見・早期治療が肝となります。
当院では、予防歯科はもちろん、軽度から重度までさまざまな歯周病の治療を行っております。
個々の患者さんに合った治療法をご提案させていただきますので、歯周病にお悩みの方や歯を常に清潔な状態に保ちたい方はぜひ当院にご相談ください。
また、当院では透明なマウスピース矯正「インビザライン」を行っております。
歯並びが良くなることで清掃性が高まり、むし歯や歯周病になりにくくなります。
ご予約はお電話からはもちろん、24時間WEB予約からも受け付けております。